単語を覚えてくると、次に困るのが発声方法です。
発音が変わるだけで全く異なる意味を持つため、
発音をマスターしないと会話になりません。
今回は、「卵」や「誰」の意味も持つ{カイ}についてまとめてみました。
ニワトリ | ไก่ | kài |
卵 | ไข่ | kʰài |
誰 | ใคร | kʰrai |
近い | ใกล้ | klâi |
遠い | ไกล | klai |
※「誰」「近い」「遠い」は正確には{クライ}ですが、
口語中だと{カイ}に聞こえます。
発音が同じになる理由①~有気音と無気音~
発音の似たタイ語シリーズは他にもいろいろありますが、
今回の{カイ}は全てが頻出単語なので、
発音が同じに聞こえるメカニズムについて考えたことをお伝えします。
まず、上の5つは発音の上で2つに分けられます。
有気音 | 無気音 |
卵 kʰài | ニワトリ kài |
誰 kʰrai | 近い klâi |
遠い klai |
有気音は発生と同時に息が出る音、
無気音は反対に、息を出さずに発生します。
タイ語の発音記号では、有気音を小さなHを使って表します。
読み方は同じですが、Hがあるかないかで息の出し方が変わるのです。
例えば、{卵 kʰài}からHを抜くと{ニワトリ kài}になるため、
有気音・無気音の区別がついていないと、この2つの発音があいまいになります。
発音が同じになる理由②~RとLがなくなる件~
タイ語では、音節中にあるRやLは、ほぼなくなるといってもよいでしょう。
例えば、「何」を表す{アライ อะไร}は、発音記号で書くと「a・rai」となります。
Rの音が音節の初めにあるため、アライのRははっきりと発音されます。
しかし、「近い」のLの音や「誰」のRは音節中です。
それでは、LとRを取り除いて発音記号をかいてみましょう。
ニワトリ | ไก่ | kài |
卵 | ไข่ | kʰài |
誰 | ใคร | kʰai |
近い | ใกล้ | kâi |
遠い | ไกล | kai |
なんと全てが「カイ」になってしまいました。。。
日本人にとって全てが「カイ」に聞こえるのはこのためですね。
耳が良ければRやLが聞こえるというものでもなく、
人によってはもう発声していないので、そういうものだと思うしかありません。
「カイ」に聞こえるのはしょうがないとして、文脈や発音で判断することになります。
カイの発音
それでは、上記を踏まえてそれぞれの「カイ」の発音に移ります。
ニワトリ と卵のカイ
ニワトリや卵は日常生活でもよく使いますが、
有気音と無気音の違いのみなので難しいですね。
{ニワトリ ไก่ kài}は無気音ですが、「ガイ」といえば無気音になりやすいです。
一方の{卵 ไข่ kʰài}は、口の前に手を持ってきて、
発音時に息が当たれば大丈夫です。
近いと遠いのカイ
この2つのカイは、発音記号がついているかいないかのみです。
日本語で書くと全く同じですが、意味が真逆なので使いこなせないと不便です。
Lの発音は、舌を前歯の歯茎の根本あたりに押し付けたまま発生します。
カイの発音は{klai}ですので、
舌を前歯の歯茎の根本あたりに押し付けたまま「カイ」といえば
{クライklai}が発音できています。
ちなみに無気音なので、「カイ」よりも「ガイ」のほうが伝わりやすいです。
日本語の「ちかい」の「ち」を抜いた「かい」の発音を、
そのまま発すればタイ語で近いにあたる{カイ ใกล้ klâi}とほぼ同じです。
「遠い」は平音なので、そのまま発声しましょう。
カイの発音まとめ
ニワトリไก่(kài) | |
卵 ไข่ (kʰài) | |
誰 ใคร(kʰrai) | |
近い ใกล้ (klâi) | |
遠い ไกล (klai) |
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