タイで生活をしていると、{クー}という単語を聞くことも多いはずです。
クー アライ คืออะไร(kʰɯɯ arai)
すでに意味を理解している、という方もいらっしゃるかもしれませんが、
何となく曖昧に使っているという方もいらっしゃるはずです。
また、ペンเป็นとの違いがわからない、という方もいらっしゃるでしょう。
「クー」について
これ一単語だと、
クー คือ (kʰɯɯ) ⇒ すなわち
的な感じで訳されることが多いようですね。
クー アライ คืออะไร(kʰɯɯ arai) ⇒ すなわち何ですか?
直訳するとこんな感じになります。
これは何ですか? ⇒ ニー アライ นี่อะไร (nîi arai)
この表現はすでに知っている方が多いかと思いますが、
実は
これは何ですか? ⇒ ニー クー アライ นี่คืออะไร (nîi kʰɯɯ arai)
の省略形です。
日本語訳では「これは何ですか」「これはすなわち何ですか」になりますが、
根本的にこの両者の意味は同じですね。
タイ語でも同様に、
{ニークーアライ}から{クー}がなくなったとしても意味は同じですので、
省略されて使われることが多いのです。
「ペン」について
ペンは、タイ語のBe動詞だと表現されることが多いです。
ペンの様々な用法についてはリンク元を参照ください。
Be動詞として利用するとも言われている「ペン」ですが、
実際には事実や状態を伝える際の表面的な表現に用いられます。
彼は男です ⇒ カオ ペン プーチャーイ
เขาเป็นผู้ชาย (kʰǎo pen pʰûu cʰaay)
彼は医者です ⇒ カオ ペン モー เขาเป็นหมอ (kʰǎo pen mɔ̌ɔ)
iPhoneは電話です ⇒ アイフォーン ペン トーラサップ
ไอโฟนเป็นโทรศัพท์ (ai foon pen tʰoo ra sàp)
このiPhoneは金色です ⇒ アイフォーン ニー ペン シー トーン
ไอโฟนนี้เป็นสีทอง(ai foon níi pen sǐi tʰɔɔŋ)
マンゴーはフルーツです ⇒ マムアン ペン ポン ラ マーイ
มะม่วงเป็นผลไม้ (ma mûaŋ pen pʰǒn la mái)
ペンとクーについて
{ペン}と{クー}の2つを知っている方の中には、
この2つが使い分けられない、という方も多いでしょう。
A クー B ⇒ A は B です
A ペン B ⇒ A は B です
両方ともこう訳されるからですね。
それでは、この両者にはどのような違いがあるのでしょうか?
「クー」の使い方
iPhoneは電話です ⇒ アイフォーン クー トラサップ
ไอโฟนคือโทรศัพท์ (ai foon kʰɯɯ tʰoo ra sàp)
彼女はユキさんです ⇒ カオ クー ユキ
เขาคือยูกิ(kʰǎo kʰɯɯ yuki)
タイで一番の大都市はバンコクです ⇒
ムアン ティー ヤイ ティー スット ナイ プラテート タイ クー クルンテープ
เมืองที่ใหญ่ที่สุดในประเทศไทยคือกรุงเทพ
(mɯaŋ tʰîi yài tʰîi sùt nai pra tʰêet tʰai kʰɯɯ kruŋ tʰêep)
「AはBです」のBの部分が固有名詞の場合は{クー}を使います。
{ペン}でも通じないことはないですが、不自然でおかしいです。
一般的に{クー}を使うのは、
①「AはBです」のBの部分が固有名詞の場合
②解説や説明をする場合
になります。
しかし、100%それが当てはまるかと言われると、
そういうわけでもありません。
場合によってはペンと同様に使われることもあります。
タイ語の本の中には、
A クー B ⇒ AはBです
この表現はAとBを入れ替えて
B クー A ⇒ BはAです
でも可能だと解説していることがあります。
つまり、A = B になるということですね。
例えば、固有名詞の場合はこの法則が当てはまります。
タイで一番の大都市はバンコクです ⇒
ムアン ティー ヤイ ティー スット ナイ プラテート タイ クー クルンテープ
เมืองที่ใหญ่ที่สุดในประเทศไทยคือกรุงเทพ
(mɯaŋ tʰîi yài tʰîi sùt nai pra tʰêet tʰai kʰɯɯ kruŋ tʰêep)
バンコクはタイで一番の大都市です ⇒
クルンテープ クー ムアン ティー ヤイ ティー スット ナイ プラテート タイ
กรุงเทพคือเมืองที่ใหญ่ที่สุดในประเทศไทย
(kruŋ tʰêep kʰɯɯ mɯaŋ tʰîi yài tʰîi sùt nai pra tʰêet tʰai)
彼女はユキさんです ⇒ カオ クー ユキ
เขาคือยูกิ(kʰǎo kʰɯɯ yuki)
ユキさんは彼女です ⇒ ユキ クー カオ
ยูกิคือเขา(yuki kʰɯɯ kʰǎo)
全く問題ありませんね。
{クー}を使う場合、A = Bとなり得るため、
AとBを入れ替えても意味が通じるのです。
しかし、「iPhoneは電話です」の場合はどうでしょうか?
iPhoneは電話です ⇒ アイフォーン クー トラサップ
ไอโฟนคือโทรศัพท์ (ai foon kʰɯɯ tʰoo ra sàp)
電話はiPhoneです ⇒ トラサップ クー アイフォーン
โทรศัพท์คือไอโฟน (tʰoo ra sàp kʰɯɯ ai foon)
A = Bだとすると、電話は全てiPhoneだということになってしまいます。
これは明らかにおかしいですね。
しかし、{ペン}しか使えないというわけではなく、
{クー}を使っても文章がしっかりと成り立ちます。
このように、場合によっては{ペン}も{クー}も使える表現があるのです。
それでは、どのように使い分ければよいのでしょうか?
ペンとクーの違い
アイフォーン ペン トーラサップ
ไอโฟนเป็นโทรศัพท์ (ai foon pen tʰoo ra sàp)
{ペン}を使うことによって、iPhoneが電話であるという事実を伝えていますね。
「iPhoneが電話である」という話です。
Be動詞としての{ペン}ですね。
アイフォーン クー トーラサップ
ไอโฟนคือโทรศัพท์ (ai foon kʰɯɯ tʰoo ra sàp)
iPhoneというのは、すなわち電話である、という話をしています。
{ペン}と何が違うかというと、
{クー}はiPhoneという存在を知らない人に対して説明する表現になるという点です。
iPhone持ってる?
iPhoneって何?
iPhoneってのは電話のことです。
この場合は{ペン}ではなく{クー}を使います。
このように、知識量の少ない子供に教える、知らない人に伝える際などには、
{クー}のほうが適しています。
ペンとクーの違いのまとめ
先ほども書きましたが、一応もう一度まとめておきます。
{クー}を使ったほうが良い場面
①「AはBです」のBの部分が固有名詞の場合
②解説や説明をする場合
①の場合は、
A=Bになり得るため A クー B ⇒ B クー A が成り立つ
彼女はユキさんです ⇒ カオ クー ユキ
เขาคือยูกิ(kʰǎo kʰɯɯ yuki)
ユキさんは彼女です ⇒ ユキ クー カオ
ยูกิคือเขา(yuki kʰɯɯ kʰǎo)
②の場合にはこれが当てはまらない
①,②以外の場合は{クー}でも{ペン}でも似たような意味になるため、
タイ人の中にはごっちゃにして使っている方もいます。
それが、この両者の使い方があいまいになってしまう原因でもあるのでしょう。
クーアライとペンアライ
ニー クー アライ นี่คืออะไร (nîi kʰɯɯ arai)
単純に、「これは何ですか」という意味になりますね。
日常生活では、省略されて{ニーアライ}と使われます。
ニー ペン アライ นี่เป็นอะไร (nîi pen arai)
これは何ですか、というよりも、これは何なんだよ、というニュアンスで使います。
ペンは事実や状態を伝える表現と述べましたが、
{ペンアライ}は状態に対して「なに?」という意味が込められています。
何という状態なんですか?というニュアンスになるのです。
いきなり人が倒れた場合 ⇒ ペン アライ(何が起こった?)
友達が怒っていて ⇒ ペン アライ(何があった?)
{クー}と{ペン}の使い方がわかっている方であれば、
この状況で{クーアライ}を使うことはできないことは理解できるかと思います。
こんな記事も読まれてます
お久しぶりです。毎回楽しく読ませてもらってます。
突然ですがひとつ質問させてください。
良くない言葉を教えてほしいです。
「生意気な」「調子乗ってる」「偉そうな」こんな感じの単語です。
調べもなんかシックリ来るのか無くて。
もしわかったら教えてください。
BJさん
お久しぶりです!
最近半分放置状態で申し訳ないです。。。
状況にもよりますが、生意気とか調子乗ってるであれば、
เหลิงルーンとかになるんじゃないかと思います。
次回それについて書かせてもらいますね!
もう少々お待ちくださいm(__)m
ขอบคุณนะคะ อธิบายและยกตัวอย่างได้เห็นภาพและเข้าใจมากค่ะ ^^
ขอบคุณครับ ดีใจที่คนไทยก็มาที่นี่
こんにちは。タイ在住で幼稚園レベルのタイ語は話せ小学生レベルの読みは出来ますが書くことが出来ないため、タイ語 ペン クー 違いと言う感じのググり方をするといつも御サイトに到達、とても役に立っています。これからもよろしくお願いします。
ご丁寧にありがとうございます!今後ともよろしくお願いいたします!