タイ語を勉強している方にとって、「単語がなかなか覚えられない」という悩みは少なくありません。
私に長文の読み方などの質問をされる方も多いですが、「タイ単語の覚え方」に関する問い合わせもたくさんいただいています。
そこで本記事では、タイ語の単語を効率的に覚えるための方法や、おすすめの単語帳について詳しく解説。
タイ語学習を継続し、着実に語彙力を伸ばしていくためのヒントをご紹介します。
見出し
タイ単語が覚えられない2つの理由
タイ語の単語が覚えられないのには、大きく2つの理由があります。
- まとめて覚えようとしている
- 見ているだけで使っていない
一度にまとめて覚えようとしているから
タイ語の単語を覚えるにあたってありがちな間違いは、「週末だけ時間をとり、2〜3時間かけてタイ語の単語学習をする」のように、一度にまとめて覚えようとしてしまうことです。
学習のジャンルによってはその方法で成功することもあると思いますが、単純な単語学習には当てはまりません。
タイ語の単語学習に限らず、学んだことを知識として定着させるためには短いスパンで何度も復習する必要があります。
学習の度に期間を開けてしまっていては、覚えられるものもなかなか身に付きません。
そのため、まとめて時間をとって単語を学ぶのではなく、代わりに一日10分でもいいので毎日タイ語の単語を見る方が効率的に単語を覚えることができます。
タイ語の単語を見ているだけで使っていないから
タイ語の単語帳やアプリで単語を見ているだけで学習した気になっている人もいらっしゃると思います。
確かに、単語を見て頭に入れるインプット作業も、タイ単語の学習には欠かせません。
しかし実際には、日常生活で使ってみたり、使うシーンがイメージできないと覚えにくいです。
なぜなら使うシーンが想像できないと、脳が「自分に必要な情報だ」と処理できないからです。
そして、そのためには覚えたタイ単語を使うアウトプット作業が必要。
- 「誰かとタイ語で会話をする」
- 「タイ語で作文をする」
- 「独り言でタイ語を話す」
などの方法で単語を覚えたら、実際に使うことを意識してみてください。
効率的なタイ語の単語の覚え方5選!
効率的なタイ語の単語の勉強方法は以下の通りです。
- 頻出のタイ語単語から覚える
- 単語と発音をセットで覚える
- 単語の用法とセットで覚える
- 単語のコアイメージをつかむ
- 複数のタイ語単語を関連させる
順番に見ていきましょう。
1.頻出のタイ単語から覚える
自分が必要な単語を優先して覚えていくことが重要です。
- タイ旅行で使う➝「いくら?」などの旅行タイ語
- ビジネスで使う➝その業種でよく使うタイ単語
- 日常会話➝毎日使いそうな単語を幅広く
自分がよく使うのであれば真っ先に覚えなければなりませんし、逆によく使うのであればアウトプットの機会も多いため自然と頭に入っていきます。
そのためには、「自分は何のためにタイ語の単語を覚えているのか」を再認識させましょう。
2.タイ語の単語と発音をセットで覚える
タイ語の単語をスペルだけで覚えようとするのはやめましょう。
声調言語であるタイ語は、正確な発音を知らなければ実戦で使えません。
逆に言うと、正しい発音とセットで覚えることで、実践で使えるボキャブラリーとなります。
そのため、タイ語初心者が単語帳などを選ぶ際は、CDなど音源付きのものを選ぶのがおすすめです。
3.タイ単語の用法とセットで覚える
個人的に重要だと思っているのが、単語1語で覚えるのではなく、用法とセットで覚える学習法。
単語の意味だけを個々に覚えていても、いざ使う時に文章のどこにどう入れればいいのかわからないことがあります。
もう少し具体的に言うと、実践で使いこなすためには例文ごと覚えてしまうのが効果的です。
そのため、タイ語の単語帳などを選ぶ際には、例文がいくつか載っているものを選ぶようにしましょう。
4.単語のコアイメージをつかむ
タイ語の単語の中には、同じつづりなのに10個以上の日本語に訳せるような単語、シチュエーションを気にしなければ正確な日本語に出来ないような単語もあります。
ただしタイ人にとっては、その単語の核となる意味は1つだけであることも多く、そのイメージを元に様々な場面で自由に使いこなしているのです。

コアイメージをつかむ動画の例
複数の意味があってもコアイメージは1つですから、核となる意味を覚えておくのはよい方法です。
Youtube版タイ語のメモ帳では、1つの単語に焦点を絞って単語の核を理解した上で、派生した意味を学習していく動画も多く、複数の意味をまとめてインプットしやすいです。
5.複数のタイ単語を関連させて覚える
何のつながりもないタイ語の単語を1つずつ覚えていては、時間も労力もかかって挫折の原因に。
短い時間で多くの単語を暗記するなら、
- シチュエーションごとにまとめて覚える
- 接頭語や接尾語などの語源を覚えてしまう
- 関連用語もあわせて覚える
など、関係性の近い単語も芋づる式に覚えられるので効率的です。
タイ語の単語を定着させるためのコツ
タイ語の単語を定着させるためのコツは以下の通りです。
- 【初級~】短いスパンで何度も復習を繰り返す
- 【中級~】わからない単語はその都度意味を調べる
- 覚えたタイ単語をタイ語会話に取り入れる
順番に見ていきましょう。
【初級~】短いスパンで何度も復習を繰り返す
人間は、覚えたことの半分以上を1日で忘れてしまうといいます。
「自分は何て記憶力がないんだ!」と思っている人もいるかもしれませんが、人間の脳の構造上、当たり前のことなのです。
ですが、せっかく記憶した単語は長く記憶に留めておきたいですよね。
そこで重要なのが復習。長期記憶に残すためには、反復して復習することが重要です。
これはタイ語初心者だけでなく、ある程度タイ語が扱える中級者以上になっても同じです。
ただし、中級レベルになると単語帳からいちいち1つずつ単語を覚えるのが億劫になることもあります。
そこで以下の方法がおすすめ。
【中級以上】わからない単語はその都度意味を調べる
長文を読みながら新しい単語を覚えるのは、中級者以上におすすめの学習方法。
文章であれば、その単語が文の中で最も自然な使われ方で登場しているため、単語の使い方まで同時に学べるからです。
どれだけタイ語を勉強していたとしても、長文を読んでいるとわからない単語に遭遇することは多いです。
その際に知らない単語をそのままにせず、1つ1つ覚えていけば自然と語彙力はアップします。
わからない単語が出てきたときに、すぐに意味を調べる習慣をつけるのは結構大切だったりします。
例えば長文を読んでいてわからない単語が全体で2,3個なのであれば、「後でまとめて単語を覚える」という方法をとるのもいいと思います。
ほとんどの単語がわかっている状態なのであれば、わからない単語の意味を推測できるからですね。
一方で、分からない単語が多すぎると「後でまとめて単語を覚える」という作業自体が大きな負担になるため、1つずつしっかり覚える方法がおすすめです。
個人的には、タイ文字が読めるのであれば長文を読みながら単語を覚える方法を推奨しています。
動画の中でも、単語1つ1つの意味、なぜこの語順になるのか、などを解説しています。
長文読解の動画は年に5,6本出しているので、定期的に勉強ができます。
覚えたタイ語の単語をタイ語会話で使う
タイ語にかかわらず、覚えた単語を定着させるには次のステップをとるのが効率的です
- インプット(新たな単語に出会う)
- 記憶(意味、使い方を知る)
- アウトプット(実際に使う)
特に独学で勉強していると、ステップ2までで満足してステップ3をしない方が多いです。
しかし最も大切なのは実践です。
覚えたてで間違っているかもしれないから、使うのが恥ずかしいという気持ちもあるかもしれません。
しかし、それを誰かに修正されるとさらに記憶に残りやすくなります。
感情が動くと記憶に定着しやすいとも言われているため、「通じた!」「間違った使い方をしてしまった」といった感情を伴うことで、体験としてより脳に深く刻み込まれます。
一瞬のミスを恐れず、記憶した単語、フレーズはどんどんと使っていきましょう。
社会人がスキマ時間でタイ単語を覚えるための勉強法
忙しい社会人にとって、まとまった学習時間を確保するのは難しいものです。
とはいえ、「タイ語の単語学習」に焦点を当てた場合、むしろ日常のスキマ時間を活用するだけで高い効果が期待できます。
通勤時間に単語帳で勉強する
通勤時間は、タイ語の単語の勉強にぴったりの時間です。
仕事がある日は毎日通勤時間が発生するので、勉強を習慣化しやすいのも大きなメリット。
普段スマホでゲームをしたり動画を見たりしている時間をタイ単語の勉強に充てることで、効率的に単語を覚えられるでしょう。
例えば通勤時間が1時間あったとしても、単語学習に当てる時間は集中した10分間で構いません。
会社に行く電車で10分集中してインプットし、帰宅の電車で同じ単語を復習する、というのを繰り返せば、記憶に残りやすくなります。
夜に暗記、朝に復習を習慣にする
暗記したタイ語の単語は、寝ているときに定着するといわれています。
そのため単語を暗記する際は、夜寝る前に単語を覚え朝に復習する習慣をつけると効率よく記憶に定着させることができます。
私はタイ語検定の勉強をする際に、この方法をとっていました。
その週に覚えた単語をまとめてテストにして、解答できなかったものは翌週に持ち越し、という方法で、まんべんなく語彙力をつけていきました。
おすすめのタイ語単語帳
ここでは、タイ語学習者におすすめの単語帳をレベル別で紹介します。
これらの単語帳を自分の学習スタイルや目的に合わせて選んでみてください。
効率的な覚え方・勉強法でタイ語の単語を定着させよう
ここまで解説してきた通り、タイ語の単語は効率的な学習方法で覚えるのが重要です。
効率的かつ定着度をアップさせるタイ語の単語の覚え方には主に以下のような方法があります。
- 頻出のタイ語単語から覚える
- 単語と発音をセットで覚える
- 単語の用法とセットで覚える
- 単語のコアイメージをつかむ
- 複数のタイ語単語を関連させる
タイ語の単語は、タイ語に関する能力のもっとも重要な部分。
単語を勉強すれば、相手の言っていることが少しずつわかるようになって、タイ語学習が楽しくなるでしょう。
反対に、単語がわからなければタイ語の文章も読めませんし、会話の自由度も大幅に下がってしまいます。
重要なのはイメージすること。
タイ語を使いこなして活躍する自分を想像するのはモチベーションアップにつながりますし、単語ごとに使う場面を想像しながら覚えると記憶に残りやすいです。
ただ時間をかけて単語帳に目を通すのではなく、記憶への定着を意識した地道な繰り返しと積み重ねが、タイ語ライフを豊かにしてくれます。