日本語にも人を罵る言葉が存在するように、
タイ語にも様々な悪い言葉が存在します。
今回は、その中でも代表的なバッドワードを紹介していきます。
タイ語では、
悪口 ⇒ カム ダー คำด่า(kham dàa)
カム คำ(kham) ⇒ 言葉
ダー ด่า(dàa) ⇒ 罵倒する
と呼ばれます。
最初に言っておきますが、なるべく使わないようにしましょう。
アイไอ้とイーอีについて
様々な単語や個人の名前の前につけて、悪口を作ります。
後述の様々な悪口と組み合わせると効果的ですよ(使わないでね)。
アイ ไอ้(âi)‥‥主に男性に対して使われる
イーอี(ii)‥‥主に女性に対して使われる
直訳はちょっと難しいんですが、「~野郎」とか「くそ~」みたいな感じですかね。
個人の名前の前に付けることで、会話のニュアンスを大きく変えます。
プーちゃん こっちおいで ⇒ ノーン プー マー ニー シ
น้องปูมานี่สิ(nɔ́ɔŋ puu maa nîi si)
おい、プーこっち来い ⇒ イー プー マー ニー シ
อีปูมานี่สิ(ii puu maa nîi si)
物に対して何かムカついたことがあったときにもよく使いますね。
このクソ携帯また充電切れたよ ⇒ アイ トーラサップ バット モット イーク レーオ
ไอ้โทรศัพท์แบตหมดอีกแล้ว(âi thoo ra sàp bɛ̀ɛt mòt ìik lɛ́ɛw)
友人同士やペットなどに対して、親しみを込めて使うことも多いです。
かといって、タイ人に受け入れられていない段階で使ってしまうと、
キチガイだと思われて敬遠されるので場をわきまえましょう。
ヒアเหี้ยについて
タイ語を代表する悪い言葉で、老若男女幅広く使われています。
もう一度言いますが、我々外国人は使わないほうがいいです。
ヒア เหี้ย(hîa)
直訳すると、「オオトカゲ」や「ミズオオトカゲ」と訳されます。
オオトカゲとは、文字通り大きなトカゲのことで、
バンコクならルンピニー公園などにたくさん生息しているワニのような爬虫類ですね。
日本人が「あっオオトカゲがいる」というのと同じ感覚で、
タイ語でが「あっヒアがいる」という感じで使えます。
ただし、人に向かって使うとケンカになります。
何してんだよ、この野郎 ⇒ アイ ヒア ムン タム アライ ワ
ไอ้เหี้ยมึงทำอะไรวะ(âi hîa mɯŋ tʰam a rai wá)
ちょっといい日本語訳が見つかりませんが、
英語で言うファックユーとかその辺のかなり良くない言葉です。
サットสัตว์について
これも{ヒア}と並んでよく使われる悪い言葉ですね。
サット สัตว์(sàt)
タイ語では動物の名前を使った悪口が多いのですが、
{サット}自体が「動物」という意味なので、日常生活にもよく登場します。
動物園に行きたいです ⇒ ヤーク パイ スワン サット
อยากไปสวนสัตว์ (yàak pai sǔan sàt)
こういう使い方であれば平和なんですが、
人間に使うとこちらもケンカになります。
例えば、足におしっこをかけてきた野良犬に対して
おいクソ犬なんでここに小便かけんだよ! ⇒ アイ サット チー ティーニー タンマイ
ไอ้สัตว์ฉี่ที่นี่ทำไม(âi sàt chìi thîi nîi tham may)
こんな感じに使うのであればギリギリOKですね。
「この動物野郎が」ってニュアンスですが、
犬自体が動物なので、シチュエーションによってはむしろウケるでしょう。
クワーイควายについて
動物を使った代表的な悪口です。
日本語でも「チキン野郎」と言ったり英語でも「ドンキー(ロバ)」と罵ったり、
動物を使った悪口は万国共通なんですかね。
クワーイ ควาย(khwaay)
{クワーイ}のもともとの意味は「水牛」になります。
もちろん「水牛」に対して{クワーイ}を使うのは全く問題ないですが、
人間に使うのは避けたほうが無難です。
上記の{ヒア}や{サット}と比べると若干柔らかい悪口というイメージもありますが、
「動きも遅く何も考えていない図体だけでかい動物」というニュアンスがありますので、
やっぱり使わないようにしましょう。
何考えてんだよアホが ⇒ キット マイ ペン ロー アイ クワーイ
คิดไม่เป็นเหรอไอ้ควาย(khít mây pen rə̌ə âi khwaay)
トロい動物ということで、日本語で言う「まぬけ」のほうがしっくりくるかもですね。
例えば上記の例文を
考えられないんですか? ⇒ キット マイ ペン ロー カ
คิดไม่เป็นเหรอค่ะ(khít mây pen rə̌ə kʰâʔ)
{アイ クワーイ}を{カ}に変えただけで、なんだか上品な感じが出ますね。
まぁどっち道皮肉っぽいですが。
ドークดอกについて
直訳すると「お花」のことです。
花 ⇒ ドーク マイ ดอกไม้(dɔ̀ɔk máay)
ユリ ⇒ ドーク リン リー ดอกลิลลี่ (dɔ̀ɔk lin lîi)
蓮 ⇒ ドーク ブア ดอกบัว(dɔ̀ɔk bua)
こんな感じで、花を表す単語には最初に{ドーク}がつくことがあるので、
わからない単語があっても{ドーク}が語頭についている場合は、
なんかしらの花の名前なんだな、とわかりますね。
それでは、この{ドーク}に{イー}を付けたらどうなるのでしょうか?
イードーク อีดอก (ii dɔ̀ɔk) ⇒ 売春婦
もはや花の影はなくなりました。
女性に絶対に使ってはいけない単語の1つですね。
売春婦同士が{イドーク}と呼び合ったりすることはありますが、
外国人の男性がいきなり女性に「おいヤリマン」なんて言ったらビンタされるでしょう。
似たような言葉に
イー レート อีแรด(rɛ̂ɛt) ⇒ ビッチ
などが挙げられます。
女性同士がケンカをすると、こう言った言葉が飛び交います。
その他の罵りワード
悪い言葉はキリがないので、その他の代表的な言葉を紹介します。
訳は全て、「馬鹿野郎」とか「くそ野郎」とかそんなんでいいと思います。
アイ バー ไอ้บ้า(âi bâa)
アイ ウェーン ไอ้เวร(âi ween)
アイ ハー ไอ้ห่า(âi hàa)
アイ ゴー ไอ้โง่(âi ŋôo)
とりあえず全てに{アイ}を付けてみましたが、悪気はありません。
元々悪い言葉に{アイ}や{イー}を付けると、
更に悪いニュアンスになるということを覚えておきましょう。
また、元々普通の意味の言葉でも、{アイ}などを付けるだけでひどい言葉になります。
ゲー แก่(kɛ̀ɛ)⇒ 年おいた
コン ゲー คนแก่(khon kɛ̀ɛ) ⇒ 老人
アイ ゲーไอ้แก่(âi kɛ̀ɛ) ⇒ 老いぼれ
ひどいですね。
日本語でも、「バカ」とか「アホ」とか「~野郎」とか使う場面はあると思いますが、
状況によっては、かなり悪いニュアンスで取られることもありますし、
逆に愛情を持って言われている、と感じることもあるはずです。
今回紹介した悪いタイ語も、それと全く同じです。
ただし、その状況を完ぺきにつかむまでは使うのは控えましょう。
またまたおもしろいです。この様な言葉はなぜか簡単に覚えてしまいます。
よく耳にしますね。
どれもこれも楽しく学べて、わかりやすいです。
ありがとうございます!
今月は様子見で1ヶ月放置していましたが、また来月から少しずつ投稿させていただきます!