タイで友達ができたら、友達のことを何て呼べばよいのでしょうか?
また、自分のことは何て呼ぶのが適しているのでしょう?
今回は、タイ語の一人称、二人称について紹介していきます。
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タイ語の一人称について
日本語でも、僕、俺、私、わい、あだす‥‥たくさんの一人称がありますね。
日本語の一人称は多いと言われることもありますが、
タイにもそれなりにたくさんの一人称が存在します。
ポム ผม(pʰǒm) | 僕 |
ディチャン ดิฉัน(di cʰǎn) | わたくし |
チャン ฉัน(cʰǎn) | 私 |
ヌー หนู (nǔu) | あたい |
グーกู(kuu) | 俺 |
ラオ เรา(rao) | うち |
カオเขา(kháw) | うち |
ピー พี่(pʰîi) | お兄さん、お姉さん |
訳は軽く適当なので、それぞれの項目をご覧ください。
ポムผม
男性が使う一人称で最も知られているものですね。
直訳すると「僕」ですかね。
ポム ผม(pʰǒm)
相手が年下であろうが年上であろうが、幅広くどんな場面でも利用できます。
タイ語にまだ不慣れな男性は、とりあえずこれを使っておけばよいでしょう。
ちなみに、{ポム}は全く同じ綴り、発音で「髪の毛」という意味も持ちます。
こちらも使用頻度の高い単語なので、一緒に覚えておきましょう。
ディチャンดิฉัน
女性が自分を呼ぶ際に利用する一人称として、参考書などにも良く載っていますね。
ただ、結構改まった言い方なので、日常生活で使うのは不自然です。
特にタイ語がまだ下手な女性が自分のことを{ディチャン}と言っていると滑稽ですね。
ディチャン ดิฉัน(di cʰǎn)
例えば、
チャン ヤーク パイ エンポリアム カ ⇒ 私はエンポリアムに行きたいです
というのを
ディ チャン ヤーク パイ エンポリアム カにすると、個人的には
「わたくしはエンポリアムに行きたいのでございますのよ」
みたいに勝手に訳してしまいます。
もちろん、丁寧に越したことはないので問題は全くないのですが、
日常で使うのはちょっと堅苦しすぎるかな、という印象があります。
ちなみに、項目は作りませんでしたが、
女性の{ディチャン}に相当する男性の一人称は
クラッ ポン กระผม(kra pʰǒm)です。
チャンฉัน
男性の{ポム}に相当する女性の一人称としては
チャン ฉัน(cʰǎn)
を使うのが良いのではないかと思います。
こちらも{ポム}同様、日常生活のあらゆる場面で使うことができます。
ヌーหนู
主に若い女性や女の子が年上に使う一人称です。
ヌー หนู (nǔu)
ネズミという意味を持っていますが、
小さな女の子が使うと可愛らしい印象を受けます。
若い女性が年上のタイ人男性に甘えたいときなどにも、
この単語を使ってみるとよいでしょう。
グーกู
日本語にすると、「俺」って感じでしょうか?
日本の男性は、初対面でも自分のことを「俺」と呼ぶ方は多いと思いますが、
恐らく初対面から{グー}を使うタイ人は、なかなかいない気がします。
グーกู(kuu)
仲良くなってから使うのがベストですが、
タイ人の感覚が100%わかるわけではないので{ポム}を使っておくのがベストかと思います。
ちなみに、「俺」と訳しましたが、{グー}は女性も使う一人称です。
下品だから自分のことを{グー}と呼ぶという感じではなく、
かなりくだけた一人称のスラングというイメージですね。
ラオเรา
タイ語の単語集や辞書には、「私たち」の訳で載っているのではないかと思います。
ラオ เรา(rao)
「私たち」で使うのが普通ですが、仲の良い友人や恋人と会話をする際には、
自分のことを指して{ラオ}ということもあります。
カオเขา
辞書には、「彼・彼女」と載っているんじゃないかと思います。
カオเขา(kháw)
三人称としての使われ方が一般的ですが、一人称として使うこともあります。
使いたい場合は、誤解を生まないように誰もが一人称とわかる場面で使いましょう。
ピーพี่
性別関係なく、年上が年下と話をする際などに使える一人称です。
ピー พี่(pʰîi)
相手が明らかに年下の場合は、初対面でも使えます。
一人称まとめ
このように、タイ語にも一人称はたくさんあります。
しかし、やはり辞書に載っている通り
男性 ⇒ ポム ผม(pʰǒm)
女性 ⇒ チャン ฉัน(cʰǎn)
が無難ですね。
タイ語の二人称について
君、あなた、お前、お宅などなど、日本語にもたくさんの二人称がありますね。
タイの二人称を見ていきましょう。
クンคุณ(kʰun) | あなた |
ター เธอ(tʰəə) | 君 |
ゲー แก(kɛɛ) | あんた |
ヌー หนู (nǔu) | お嬢ちゃん |
ムン มึง(mɯŋ) | お前 |
ピー พี่(pʰîi) | お兄さん、お姉さん |
ノーン น้อง(nɔ́ɔŋ) | にいちゃん、ねーちゃん |
トゥア エーン ตัวเอง(tua eeŋ) | あなた |
こちらもちょっと適当なので、下をご覧ください。
クンคุณ
最も代表的な二人称です。
誰にでもどこでも使える言葉ですが、若干硬いですね。
クンคุณ(kʰun)
恋人のことを{クン}と呼ぶタイ人もいたりしますが、
フォーマルな場面や初対面の場面など、
または相手とそんなに親しくないときなどに使うことが多いです。
ターเธอ
親しい間柄で使われる単語ですね。
「君」や「あなた」という感じでいいと思います。
ター เธอ(tʰəə)
文語で三人称の女性を指す「彼女」という意味で使われますが、
口語では男性女性関係なく使うことができます。
ただ、頻繁に使われるのか、と言われるとそうでもないですね。
ゲーแก
友達同士の定番の呼び方ですね。
また、親が子供を呼ぶときにも使われることが多いです。
ゲー แก(kɛɛ)
日本語にすると、「あんた」「お前」的な感じでしょうか。
初対面で使う単語ではないので気を付けましょう。
ヌーหนู
一人称でも登場した「ネズミ」です。
ヌー หนู (nǔu)
自分よりも明らかに年下の女性、または子供に使える二人称です。
無理やり訳すと「お嬢ちゃん」って感じですかね。
ムンมึง
一人称の{グー}に対する二人称といえますね。
「お前」って感じで訳すことができます。
ムン มึง(mɯŋ)
相手をこんな風に呼ぶと口が悪いと思われるだけでなく、
相手によっては喧嘩になることもあるので使わないのが無難です。
使ってみたいという人は、{ムン ムン}言い合っているタイ人の輪に入って、
一緒に酒でも飲めばすぐに使えるようになりますよ。
ピーพี่
明らかに年上の相手に対して使う二人称です。
「お兄さん」「お姉さん」って感じで訳せますね。
ピー พี่(pʰîi)
ちなみに、レストランなどで店員を呼ぶときの「すみません」にもあたります。
相手が年上、または年上とみなしてもよい年齢の場合は{ピー}を使いましょう。
ノーンน้อง
年下を呼ぶ際に利用できます。
ノーン น้อง(nɔ́ɔŋ)
また、レストランで店員に「すみません」といいたい時、
相手が年下の場合に利用します。
トゥアエーンตัวเอง
恋人同士が使う二人称って感じでしょうか。
親しい中での「君」にあたります。
トゥア エーン ตัวเอง(tua eeŋ)
直訳すると「自分自身」という意味を持つ単語ですが、
二人称としてもよく使われますね。
二人称まとめ
こう並べてみると、結局{クン}が当たり障りのない二人称といえますね。
ただ、親しくなったら相手の名前を呼ぶことが多いので、
最初に{クン チュー アライ}で名前を聞いたら、
その後はその名前を呼ぶことになるのではないかと思います。
私とあなたの使い分け
参考になるかわかりませんが、
タイ人はこんな感じで一人称と二人称を使っています。
マー ドゥー ホーン カ
มาดูห้องค่ะ
maa duu hɔ̂ɔŋ kʰâʔ
チューン クン チュー アライ クラップ
เชิญ คุณชื่ออะไรครับ
cʰəən kʰun cʰɯ̂ɯ arai kʰráp
ヌー チュー ノック カ
หนูชื่อนกค่ะ
nǔu cʰɯ̂ɯ nók kʰâʔ
オーケー ノーン ノック ポム チュー ゴープ
โอเคน้องนก ผมชื่อกอล์ฟ
oo kʰee nɔ́ɔŋ nók pʰǒm cʰɯ̂ɯ kɔ̀ɔp
レーオ ホーン ニー カー チャオ タオライ カ ピー ゴープ
แล้วห้องนี้ค่าเช่าเท่าไรค่ะพี่กอล์ฟ
lɛ́ɛw hɔ̂ɔŋ níi kʰâa cʰâo tʰâo rài kʰâʔ pʰîi kɔ̀ɔp
初めはクンを使っていますが、明らかに年齢に差がある場合は、
ノーンやピーを使います。
チューン เชิญ(cʰəən ) ⇒ どうぞ
ノック นก(nók ) ⇒ 鳥(今回の女性の名前)
ゴープ กอล์ฟ(kɔ̀ɔp ) ⇒ ゴルフ(今回のオーナーの名前)
カー チャオ ค่าเช่า(kʰâa cʰâo) ⇒ 賃料
トゥアエーン タムアライ ロー
ตัวเองทำอะไรเหรอ
tua eeŋ tʰam a rai rə̌ə
ピー タム アーハーン ハイ ヌー ユー
พี่ทำอาหารให้หนูอยู่
pʰîi tham aahǎan hâi nǔu yùu
年上の彼氏が自分のことを{ピー}と呼び、年下の彼女を{ヌー}と呼んでいます。
ラオ マイ コーイ チョープ カオ カ ピー
เราไม่ค่อยชอบเขาค่ะพี่
rao mâi kʰɔ̂y cʰɔ̂ɔp kháw kʰâʔ pʰîi
カオ ゴ ブア カオ レオ ア ター
เขาก็เบื่อเขาแล้วอ่ะเธอ
kháw kɔɔ bɯ̀a kháw lɛ́ɛw à tʰəə
最後に{ピー}や{ター}を付けてみましたが、これは無理やり訳す必要はないですね。
あなたに言っていますよ、的な強調のためにつけているという印象です。
マイ コーイ ไม่ค่อย(mâi kʰɔ̂y) ⇒ あまり~じゃない
※「あまり知らない」の「あまり」はタイ語で何て言う?参照
ブア เบื่อ(bɯ̀a ) ⇒ 飽きる、うんざりする
ディアオ シ ムン パイ ナイ ワ
เดี๋ยวสิมึงไปไหนว่ะ
dǐaw si mɯŋ pai nǎi wâ
グー ブアット キー
กูปวดขี้
kuu pùat kʰîi
(注)上品な女性は使いません
ディアオ เดี๋ยว(dǐaw ) ⇒ ちょっと
※タイ語で「ちょっと待って」の表現参照
ブワット キー ปวดขี้(pùat kʰîi) ⇒ ウンコしたい
ワ ว่ะ(wâ) ⇒ 強調(悪い表現)
パイ ナイ クラップ ヌー
ไปไหนครับหนู
pai nǎi kʰráp nǔu
言われてるので
クン メー ボーク ワー ハーム クイ ガップ
コン ティー マイ ルー チャック
คุณแม่บอกว่าห้ามคุยกับคนที่ไม่รู้จัก
kʰun mɛ̂ɛ bɔ̀ɔk wâa hâam kʰuy kàp
kʰon tʰîi mâi rúu càk
ジャム ルン マイ ダイ ロー ルン シアジャイ
จำลุงไม่ได้หรอ ลุงเสียใจ
cam luŋ mâi dai rə̌ə luŋ sǐa cai
おじさんと男の子の会話ですね。
{ヌー}は女性限定という感じもしますが、小さな男の子に使うこともできます。
おじさんは自分のことを{ルン(おじさん)}という一人称で呼んでいます。
日本語でもよくありますが、一人称や二人称に自分の立場や職業を使うことも多いです。
ジャム จำ(cam ) ⇒ 覚える、思い出す
ルン ลุง(luŋ ) ⇒ おじさん
シア ジャイ เสียใจ(sǐa cai) ⇒ 悲しい
一人称や二人称は、本当にキリがないのでこの辺りでやめておきます。
タイ人と関わっていれば、色々なジャンルの呼び方や呼ばれ方が身に付くでしょう。
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