タイに来たばかりの方でなければ、タイ語で「美味しい」の表現をご存じなのではないかと思います。
確かに万能な表現ではありますが、はっきり言ってしまうと1つの表現ばかりを使っているのは外国人だけです。
もちろん外国人だからそれでいいという方もいらっしゃるでしょうが、
「美味しい」以外のタイ語を使えた方が食事がもっと楽しくなるはずです。
今回は、タイ語の味に関する様々な表現を見ていきましょう。
かなり長いので、調べたいものがある場合は下の見出しから飛んでください。
もしくは「ちょっと知りたいだけだったのに」という方には味の表現のタイ語リストがおすすめです。
見出し
タイ語で「美味しい」は{アローイ}
タイに住んでいる日本人であれば、恐らく誰もが知っている有名なタイ語ですね。
美味しい ⇒ アローイ อร่อย(a rɔ̀y)
これはうまいけど、あれはまずい ⇒ ジャーン ニー アローイ テー ジャーン ナン マイ アローイ
จานนี้อร่อยแต่จานนั้นไม่อร่อย(caan níi a rɔ̀y tɛ̀ɛ caan nán mâi a rɔ̀y)
タイ語を知っている方からすると「今更何の説明だよ」となるかもしれません。
しかし、何がどのように美味しいのか、何がどう不味いのかを説明しろと言われたらできない方も多いはずです。
その他の代表的な「美味しい」表現
味の説明に入る前に、日常生活でもよく登場する「美味しい」の表現を紹介していきます。
{アローイ}と同じように使うことができるので、{アローイ}ばかり言っている方はこれらも使ってみましょう。
トゥーク パーク ถูกปากの「口に合う」
{アローイ}よりもなんだか上品な感じがしますね。
口に合う ⇒ トゥーク パーク ถูกปาก(tʰùuk pàak)
トゥーク ถูก(tʰùuk ) ⇒ 一致する、合う
※表現の幅を広げるトゥークถูกの用法も参照ください。
パーク ปาก(pàak) ⇒ 口
タイ料理はあなたのお口に合います? ⇒
アーハーン タイ トゥーク パーク クン マイ
อาหารไทยถูกปากคุณไหม(aa hǎan tʰai tʰùuk pàak kʰun mǎi)
あの店は高いだけで私はうまいと感じない(私の口に合わない) ⇒
ラーン ナン ペーン チュイチューイ マイ トゥーク パーク チャン
ร้านนั้นแพงเฉยๆไม่ถูกปากฉัน(ráan nán pʰɛɛŋ cʰə̌əy cʰə̌əy mâi tʰùuk pàak cʰǎn)
この表現なんかは、{トゥークパーク}の意味を知らないと、「あの店は高いけど安くない」みたいに訳してしまいそうです。
※{トゥーク}には安いという意味もあります。
チュイチューイ เฉยๆ(cʰə̌əy cʰə̌əy) ⇒ ~だけ
※毎日使うタイ語「チュイチューイเฉยๆ」の様々な用法参照
ちょっと余談になりますが、
あなたの口に合う ⇒ トゥーク パーク クン ถูกปากคุณ(tʰùuk pàak kʰun)を
トゥーク パーク コーン クン ถูกปากของคุณ(tʰùuk pàak kʰɔ̌ɔŋ kʰun)としがちです。
A コーン B ของ(kʰɔ̌ɔŋ) ⇒ BのA
となるため、例えば
あなたの口 ⇒ パーク コーン クン ปากของคุณ(pàak kʰɔ̌ɔŋ kʰun)
となります。
そして、この法則が当てはまるのはAが名詞になる場合です。
しかし、今回の{トゥーク パーク}はこれで1語であり、「美味しい」「味が良い」といったニュアンスを持つ表現です。
{パーク}単体だと名詞なので何となく{コーン}を付けたくなりますが、間違いなので気を付けましょう。
ロッチャー ディー รสชาติดีの「味がいい」
これはそのままですね。
味がいい ⇒ ロッ チャーッ ディー รสชาติดี(rót cʰâat dii)
ロッ チャーッ รสชาติ(rót cʰâat) ⇒ 味
ディー ดี(dii) ⇒ 良い
ラオスで飲むビアラオは格別だ(味が良い)が輸入品は普通(の味)だ ⇒
ビア ラーオ キン ティー プラテート ラーオ ロッチャーッ ディー テー コーン ナーム カオ ロッチャーッ タマダー
เบียร์ลาวกินที่ประเทศลาวรสชาติดีแต่ของนำเข้ารสชาติธรรมดา
(bia laaw kin tʰîi prà tʰêet laaw rót cʰâat dii tɛ̀ɛ kʰɔ̌ɔŋ nam kʰâo rót cʰâat tʰam ma daa)
コーン ナム カオ ของนำเข้า(kʰɔ̌ɔŋ nam kʰâo) ⇒ 輸入したもの
タマダー ธรรมดา(tʰam ma daa) ⇒ 普通
※タイ語の「普通」タマダーธรรมดาとポカティปกติは何が違う?参照
なお、略すのが好きなタイ人は、ロッ รส(rót )1語で表現することも多いです。
そうなった場合
美味しい ⇒ ロッ ディー รสดี(ró dii)
となりますね。
セープ แซ่บの「美味しい」
これは単純に、イサーン語と呼ばれるイサーン地方の方言です。
美味しい ⇒ セープ แซ่บ(sɛ̂ɛp)
めっちゃうまいな ⇒ セープ ラーイ ドゥー
แซ่บหลายเด้อ(sɛ̂ɛp lǎay də̂ə)
セープ แซ่บ(sɛ̂ɛp) ⇒ アローイ
ラーイ หลาย(lǎay) ⇒ マーク
ドゥー เด้อ(də̂ə) ⇒ ナ
標準語にするとこんな感じですかね。
バンコクに住んでいる限りはあまり使わない表現かもしれませんが、
イサーン人はたくさんいるため、試しにつかってみましょう。
日本人が美味しいものを食べた時に思わず「うまっ」という感覚でイサーン人が言うかもしれませんが、
要するに「美味しい」ってことですね。
また、後述しますが{セープ}も「甘い」や「辛い」と同じように味を表現する標準語として使われつつあります。
「美味しそう」はタイ語で?
「美味しい」は有名ですが、「美味しそう」は何と言うのでしょうか?
ナー キン น่ากิน(nâa kin)
ナー アローイ น่าอร่อย(nâa a rɔ̀y)
有名どころはこれらですね。
キン กิน(kin) ⇒ 食べる
アローイ อร่อย(a rɔ̀y) ⇒ 美味しい
ナー น่า(nâa) ⇒ ~に値する
{ナー}の使い方に関してはナーน่า(NÂA)の使い方で詳しく紹介しているのでこちらを見ていただきたいのですが、例えば
ナー キン น่ากิน(nâa kin) ⇒ 食べるに値する ⇒ おいしそう
となるわけですね。
日本のお菓子は本当においしそうだ ⇒ カノム イープン ナー アローイ チンチン
ขนมญี่ปุ่นน่าอร่อยจริงๆ(kʰà nǒm yîi pùn nâa a rɔ̀y ciŋ ciŋ)
タイ語で味覚を表現しよう
前置きがかなり長くなってしまいましたが、今回はここからが本番です。
タイ語で基本の味覚表現
まずはタイ人がよく使う代表的な味覚を紹介します。
甘い | ワーン | หวาน (wǎan) |
辛い | ペット | เผ็ด (pʰèt) |
酸っぱい | プリアオ | เปรี้ยว (prîaw) |
塩辛い | ケム | เค็ม (kʰem) |
苦い | コム | ขม (kʰǒm) |
渋い | ファーッ | ฝาด (fàat) |
こってり | マン | มัน (man) |
濃厚な | マン | มัน (man) |
最低でもこれくらいは覚えておくと、表現の幅が大きく広がりますよ。
最後の2つは{マン}ですが、「濃厚な」と訳した{マン}はタイ特有の表現と言えるかも知れません。
{マン}には「芋」という意味があり、「濃厚な」の{マン}はその「芋」の{マン}と同じだと思ってもらって構いません。
要するに、この「濃厚」の対象は、芋類や豆類などのうま味であり、「こってり」の{マン}とは若干ニュアンスが異なります。
ただし、我々外国人がそこまで細かくタイの味を理解するのは難しいので、通常は{マン}は1語として「マン = こってり、油っぽい」と訳されることが多いです。
なお、これらの表現は単純に味の基準を表しているだけであり、「美味しい」「まずい」とはまた異なります。
同じ料理でも人によって、甘さがうまいと思うのか、辛くてまずいと思うのかが違うため、通常はこれらの表現に他の単語を付け加えて味の良し悪しを表します。
あの店のトムヤムクンはすっぱくてうまい ⇒ トム ヤム クン コーン ラーン ナン プリアオ ア ローイ
ต้มยำกุ้งของร้านนั้นเปรี้ยวอร่อย(tôm yam kûŋ kʰɔ̌ɔŋ ráan nán prîaw a rɔ̀y)
このビンスーは甘くていいね(おいしいね) ⇒ ビン スー ニー ワーン ディー ナ
บิงซูนี้หวานดีนะ(biŋ suu níi wǎan dii na)
コーヒーが苦すぎる(苦すぎて飲めない) ⇒ ガー フェー コム パイ
กาแฟขมไป(kaa fɛɛ kʰǒm pai)
ビン スー บิงซู(biŋ suu) ⇒ かき氷
使えるとカッコいい表現
絶妙な | ロッ デッ | รสเด็ด (rót dèt) |
濃厚 | ケム コン | เข้มข้น (kʰêm kʰôn) |
さわやかな | ソッ チューン | สดชื่น (sòt cʰɯ̂ɯn) |
丸みがある | グロム グローム | กลมกล่อม (klom klɔ̀ɔm) |
調和していない | プラー | ปร่า (pràa) |
脂っこい | リアン | เลี่ยน (lîan) |
刺激的な | セープ | แซ่บ (sɛ̂ɛp) |
「絶妙な」のロッデッ
ロッ รส(rót) ⇒ 味
デッ เด็ด(dèt) ⇒ 最高の、素晴らしい
ここの焼肉は、肉は普通だがツケダレが最高にうまい ⇒
ヤキニク ラーン ニー ヌア タマダー テー ナム チム ロッ デッ
ยากินิคุร้านนี้เนื้อธรรมดาแต่น้ำจิ้มรสเด็ด(yaa ki ni ku ráan níi nɯ́a tʰam ma daa tɛ̀ɛ nám cîm rót dèt)
ナム チム น้ำจิ้ม(nám cîm) ⇒ タレ
「濃厚」のケムコン
ケム เข้ม(kʰêm) ⇒ 濃い
コン ข้น(kʰôn) ⇒ 濃度が高い
濃厚な甘さのアイスが食べたい ⇒
ヤーク キン アイ サクリー ティー ミー ロッ ワーン ケム コン
อยากกินไอศกรีมที่มีรสหวานเข้มข้น(yàak kin ai s kriim tʰîi mii rót wǎan kʰêm kʰôn)
「さわやかな」のソッジューン
ソッ สด(sòt) ⇒ 生の
チューン ชื่น(cʰɯ̂ɯn) ⇒ 構成要素として使われることが多い
チューン ジャイ ชื่นใจ ⇒ すかっとする
チューン チョープ ชื่นชอบ ⇒ 気に入る
気持ち悪くて吐きそう、なんかスカッとする飲み物ない? ⇒
リアン ジャ ウワック ミー ナーム ティー キン レーオ ソッ チューン マイ
เลี่ยนจะอ้วกมีน้ำที่กินแล้วสดชื่นไหม(lîan càʔ ûak mii náam tʰîi kin lɛ́ɛw sòt cʰɯ̂ɯn mǎi)
リアン เลี่ยน(lîan) ⇒ ※後述します
「丸みがある」のグロムグローム
普通の早さで発音すると、{ゴムゴーム}に聞こえます。
グロム กลม(klom) ⇒ 丸い
グローム กล่อม(klɔ̀ɔm) ⇒ 落ち着かせる
味をまろやかにするためにコーヒーにコンデンスミルクを入れます ⇒
サイ ノム コン ナイ ガーフェー プア ハイ ロッ グロム グローン
ใส่นมข้นในกาแฟเพื่อให้รสกลมกล่อม(sài nom kʰôn nai kaa fɛɛ pʰɯ̂a hâi rót klom klɔ̀ɔm)
ノム コン นมข้น(nom kʰôn) ⇒ コンデンスミルク
เพื่อ(pʰɯ̂a) ⇒ ~のために
※「~のために」「~用の」のタイ語~サムラップ สําหรับとプアเพื่อの違い~参照
「調和していない」のプラー
ปร่า(pràa)
カレーに使う唐辛子が熟していない場合、味にまとまりがなくなる ⇒
ター プリック コーン ゲーン カリー マイ スック ロッ ジャ プラー
ถ้าพริกของแกงกะหรี่ไม่สุกรสจะปร่า(tʰâa pʰrík kʰɔ̌ɔŋ kɛɛŋ ka rìi mâi sùk rót càʔ pràa)
プリック พริก(pʰrík) ⇒ 唐辛子
ゲーン แกง(kɛɛŋ) ⇒ 汁料理
ゲーン カリー แกงกะหรี่(kɛɛŋ ka rìi) ⇒ カレー
「脂っこい」のリアン
เลี่ยน(lîan)
「脂っこい」という意味で使われることが多いですが、「(脂っこいものなどを食べて)気持ち悪い」の方がしっくりきます。
脂っこいものを食べすぎると気持ち悪くなりますが、
例えば、空腹時に甘いものを食べて気持ち悪くなることなどに対しても使えます。
大トロは脂がのっていてうまいが食べすぎると絶対気持ち悪くなる ⇒
オートロ マン アローイ ディー テー キン イョ ゴ ジャ リアン ネー
โอโทโร่มันอร่อยดีแต่กินเยอะก็จะเลี่ยนแน่(oo to ro man a rɔ̀y dii tɛ̀ɛ kin yɛ́ʔ kɔɔ càʔ lîan nɛ̂ɛ)
「刺激的な」のセープ
先ほどイサーン語の「美味しい」という書き方をしましたが、標準語として使うことも少なくありません。
ちょっと説明が難しいですが「辛さや酸っぱさが良く混ざって刺激的でおいしい」という感じですかね。
แซ่บ(sɛ̂ɛp)
この海鮮ミックスサラダは(辛さや酸っぱさが良く混ざって刺激的で)とてもおいしい ⇒
ヤム ルアム ミッ タレー ジャーン ニー セープ マーク
ยำรวมมิตรทะเลจานนี้แซ่บมาก(yam ruam mít tʰá lee caan níi sɛ̂ɛp mâak)
その他の料理に対する代表的な表現
味とは異なりますが、これらも料理の表現によく登場する言葉です。
硬い | ケン | เเข็ง (kʰɛ̌ŋ) |
柔らかい | ヌム | นุ่ม (nûm) |
パリパリの | グロープ | กรอบ (krɔ̀ɔp) |
もちもちした | ニアオ | เหนียว (nǐaw) |
良い香り | ホーム | หอม (hɔ̌ɔm) |
臭い | メン | เหม็น (měn) |
生臭い | カーオ | คาว (kʰaaw) |
青臭い | メン キアオ | เหม็นเขียว (měn kʰǐaw) |
においが強烈 | チュン | ฉุน (cʰǔn) |
薄い | ジューッ | จืด (cɯ̀ɯt) |
いちいち紹介しているととんでもないことになるので、複数の表現を絡めて文章にしました。
出来上がったばかりのタコ焼きは外がカリカリで中が柔らかくて、タコもモチモチしていて香りもよいが、数日放置すると硬く臭くなる ⇒
タコヤキ プン タム セッ グロープ ノーク ヌム ナイ プラームッ ゴ ニャオ ニャオ ホーム ディー テー ティン ワイ ラーイ ワン マン ケン レ グリン カーオ
ทาโกยากิเพิ่งทำเสร็จกรอบนอกนุ่มในปลาหมึกก็เหนียวๆหอมดีแต่ทิ้งไว้หลายวันมันเเข็งและกลิ่นคาว
(ta ko yaa ki pʰə̂ŋ tʰam sèt krɔ̀ɔp nɔ̂ɔk nûm nai plaa mɯ̀k kɔɔ nǐaw nǐaw hɔ̌ɔm dii tɛ̀ɛ tʰíŋ wái lǎay wan man kʰɛ̌ŋ lɛ́ʔ klìn kʰaaw)
プン เพิ่ง(pʰə̂ŋ) ⇒ ~したばかり
※ちょうど終わったところです。はタイ語で?เพิ่งプンの用法参照
グロープ ノーク ヌム ナイ กรอบนอกนุ่มใน(krɔ̀ɔp nɔ̂ɔk nûm nai)
⇒「外はカリカリ中はふわふわ」的な
プラー ムッ ปลาหมึก(plaa mɯ̀k) ⇒ タコ、イカ
ティン ワイทิ้งไว้(tʰíŋ wái) ⇒ 放置する
※~しておく「ワイไว้」は頻繁に使うタイ語表現参照
食感については、日本と変わらない感じで利用することができます。
ただ、例文では{ニャオ}を「モチモチしてて良い」と言うように訳しましたが、使い方によっては悪くもなります。
例えばステーキに対して{ニャオ}が使われた場合、日本語にするなら「ベタベタした」といったネガティブなものになりますね。
ビールは冷たい方が美味しい、ぬるくなると不味くなるのに対して、白米は冷たいものよりも温かいものの方が美味しいです。
このように、食材ごとに美味しさの種類が異なるため、それに合わせて日本語での捉え方を変えていく必要があります。
香りの表現
香り ⇒ グリン กลิ่น(klìn)
となりますが、「良い香り」「悪い香り(臭い)」と表現する際にはいちいちつけなくても問題ありません。
ホーム หอม(hɔ̌ɔm)良い香り
パッタイの香ばしい香りからミカンの甘酸っぱい香りまで、「良い香り」にはこの{ホーム}が使われます。
また、食べ物だけではなく、香水などの良い香り全般的に利用可能です。
メン เหม็น(měn)臭い
{ホーム}の対義語として利用できます。
ナムプラーが臭いという表現から、ワキのにおいが臭いというところまで幅広く使えます。
カーオคาว(kʰaaw)生臭い
主に魚などの生臭さに使う単語ですね。
魚の生臭いにおいはタイも日本も変わらないため、何となく感覚でわかるのではないかと思います。
{メン}と合わせて{メン カーオ}ということも多いです。
メン キアオ เหม็นเขียว(měn kʰǐaw)青臭い
野菜などの青臭さに利用します。
キアオは「緑」という意味ですね。
チュン ฉุน(cʰǔn)強烈なにおい
料理に使う場合は、食材が腐った際に発する強烈なツンとするような臭いに対してですかね。
こちらも料理だけではなく、オシッコのアンモニア臭などをはじめ、強烈なにおいに対して使うことができます。
ジューッจืดの立ち位置
日本語では「薄い」と訳されることの多い{ジューッ}ですが、タイ人が{ジューッ}を使う場合は味に対してネガティブなことが多いです。
要するに、少し極端な考え方をすると「ジューッ = 不味い」と訳すこともできるのです。
一般的なタイ料理は、「辛い」「甘い」「酸っぱい」など、味がはっきりしているものが多く、
それ故そういったものに対して「美味しい」といった感覚を持つタイ人も多いです。
反対に、「辛い」「甘い」「酸っぱい」が感じられない料理は全て「薄い」、即ち「不味い」となるのです。
日本食って薄味だよね ⇒ アーハーン イープン ジューッ อาหารญี่ปุ่นจืด(aa hǎan yîi pùn cɯ̀ɯt)
この表現は、単純に日本料理は味が薄いと言っている可能性もありますが、「日本食ってまずいよね」と言っている可能性もあります。
日本食って薄味でいいよね ⇒ アーハーン イープン ジューッ ディー อาหารญี่ปุ่นจืดดี(aa hǎan yîi pùn cɯ̀ɯt dii)
例えばこのように、「良い」を意味する{ディー}が入っていれば薄味を肯定しているということになりますね。
薄味のほうが美味しいものに対してはポジティブなニュアンスを持って{ジューッ}が使われます。
しかし、味の濃いものが多いタイ料理では、やはり「薄味=まずい」という感覚になってしまいます。
味の表現を強める言い回し
続いて、上述した様々な味の表現を強調させたりする単語をサクッと紹介していきます。
ดี ディー
「良い」という意味なので、それぞれの表現の後に付けることでより、より肯定的な意味を作ります。
コーラが冷たくてうまい ⇒ コーク イェン ディー
โค้กเย็นดี(kʰóok yen dii)
ソムタムは辛くてうまいですね ⇒ ソムタム ペッ アローイ ディー
ส้มตำเผ็ดอร่อยดี(sôm tam pʰèt a rɔ̀y dii)
มาก マーク
これは説明不要だと思いますが、文章に{マーク}をつけることで「とても」という意味を持ちます。
ただし、味に対して使う場合は、{マーク}以外にも
とても甘い ⇒ ワーン ジアップ หวานเจี๊ยบ(wăan cíap)
とても辛い ⇒ ペッ ジーッ เผ็ดจี๊ด(phèt cíit)
とても塩辛い ⇒ ケム ピー เค็มปี๋(kʰem pǐi)
とても脂っこい ⇒ マン ヨーン มันย่อง(man yɔ̂ɔŋ)
このように、様々な表現があります。
日本語にするとどれも「とても」となるのですが、味の違いによって使い分ける必要がありますし、
また、それぞれの「とても」を入れ替えることもできません。
つまり、これらはこれでそのまま覚えなければならないため非常に厄介です。
また、「とても甘い」が「とても甘くて良い」のか「甘すぎて悪い」なのかと言ったニュアンスの違いも存在します。
面倒なので、全て{マーク}でもよいと思いますが、
万が一これらの表現が登場したら「とても」という意味だということで片づけておきましょう。
เกินไป グンパイ
こちらは「~すぎる」の表現ですね。
甘すぎる ⇒ワーン グンパイ หวานเกินไป(wăan kəən pai)
これはすなわち、「甘すぎてまずい」「甘すぎて美味しくない」というネガティブな表現に取れます。
「~しすぎ」のタイ語表現も参照ください。
ๆ マーイヤモック
タイ文字では「ๆ」を付けることで直前の単語を繰り返すという法則があります。
美味しくつくってね ⇒ タムハイ アローイ ナ ทำให้อร่อยนะ
美味しく美味しく作ってね ⇒ タムハイ アローイ アローイ ナ ทำให้อร่อยๆนะ
簡単に言うとこの違いですね。
こちらも一見するとよい表現に聞こえますが、
しょっぱすぎて食えねーよ ⇒ เขาทำเค็มๆกินไม่ได้
(kʰǎo tʰam kʰem kʰem kin mâi dâi)カオ タム ケムケム キン マイ ダイ
使い方によってはこんな感じでネガティブな表現にもなります。
味の表現を使いこなそう
かなり長くなってしまいましたが、これらを覚えればタイ人と料理を評価し合うことができるはずです。
ラーメン ラーン ナン アローイ パ
ราเมนร้านนั้นอร่อยป่ะ
raa men ráan nán a rɔ̀y pá
チャン ワー アローイ テー マン ケム パイ ナ
ฉันว่าอร่อยแต่มันเค็มไปนะ
cʰǎn wâa a rɔ̀y tɛ̀ɛ kʰem pai na
ケム トロン ナイ チャン サイ グルア プーム
เค็มตรงไหนฉันใส่เกลือเพิ่ม
kʰem troŋ nǎi cʰǎn sài klɯa pʰə̂əm
ドゥー コン ティー リーウィウ ミー コン ボーク ワー マン マン ジョン リアン
ดูคนที่รีวิวคนบอกว่ามันมันจนเลี่ยน
duu kʰon tʰîi rii wiw kʰon bɔ̀ɔk wâa man man con lîan
ルアック ラダップ クワーム マン ダイ ハイ カオ タム ジューッ ゴダイ
เลือกระดับความมันได้ ให้เค้าทำจืดก็ได้
lɯ̂ak ra dàp kʰwaam man dâi hâi kʰáo tʰam cɯ̀ɯt kɔɔ dâi
ジューッ ゴ マイ アローイ ネー
จืดก็ไม่อร่อยแน่
cɯ̀ɯt kɔɔ mâi a rɔ̀y nɛ̂ɛ
マン マン ゴ ケム コン アローイ ディー テー セン ケン マーク ナ
มันๆก็เข้มข้นอร่อยดี แต่เส้นเเข็งมากนะ
man man kɔɔ kʰêm kʰôn a rɔ̀y dii tɛ̀ɛ sên kʰɛ̌ŋ mâak na
ゴ コン イープン チョープ ケン ケン ニー
ก็คนญี่ปุ่นชอบเเข็งๆนี
kɔɔ kʰon yîi pùn cʰɔ̂ɔp kʰɛ̌ŋ kʰɛ̌ŋ nii
コン イープン バーボー ロー ポカティ カオ キン テー セン ヌム
คนญี่ปุ่นบ้าบอหรอ ปกติเขากินแต่เส้นนุ่ม
kʰon yîi pùn bâa bɔɔ rɔ̌ɔ pà kà tìʔ kʰǎo kin tɛ̀ɛ sên nûm
もちろん紹介させていただいた表現以外にも、味に関する言い回しはたくさんあります。
まずは基本となるこれらを覚えて、少しずつ語彙を増やしていきましょう。
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