日本語にすると「普通」と訳される代表的なタイ語が
タマダーธรรมดา(tʰam ma daa)
ポカティปกติ(pà kà tìʔ)
の2つですね。
この2つの単語の違いを見ていきましょう。
※ポカティปกติ(pà kà tìʔ)は正確にはパカティですが、
ポカティと聞こえることが多いためそちらの表記にします。
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タマダーธรรมดาとポカティปกติについて
タイ人はもちろん、タイに長く住んでいる外国人の多くも、この2つを使い分けています。
しかし、具体的にどこがどう違うのか、と言われると説明が難しいです。
そのため、タイ人に聞いても「あー同じ同じ」「全く同じだよ」
みたいな無責任な回答が返ってくることが多いのです。
私も、この2つの違いを一言で説明できるわけではありませんが、
様々な例を使って何となくのニュアンスの違いを紹介しようと思います。
「普通」タマダーธรรมดาのイメージ
恐らく、タイ語で「普通」という意味としてはこちらを先に覚えるでしょう。
英語にするとordinaryとなり、やはりその訳は「普通の」「通常の」となります。
タマダーธรรมดา(tʰam ma daa)
イメージとしては、
・ありふれた
・月並みの
といった感じでしょうか?
「普通」ポカティปกติのイメージ
こちらも一般的に使われている「普通」ですね。
英語だとnormalとかas usualになります。
「普通の」「正常な」という感じですね。
ポカティปกติ(pà kà tìʔ)
この単語のイメージは、
・いつも通りの
・変わらない
といったところです。
タマダーธรรมดาとポカティปกติを使おう
2つの単語のイメージがついたところで、いくつか例文を出してみましょう。
普通の席を予約します ⇒ ジョーン ティー ナン タマダー
จองที่นั่งธรรมดา(cɔɔŋ tʰîi nâŋ tʰam ma daa)
この文章には{ポカティ}は使えませんね。
一般の、ありふれた席、ということで{タマダー}を使います。
ティーナン タマダー ที่นั่งธรรมดา ⇒ 普通席
例えば「乗っていた電車が爆発したけど、座席は普通だったよ」
といいたい時なら{ティーナン ポカティ}が使えますね。
ジョーン จอง(cɔɔŋ ) ⇒ 予約する
ティーナン ที่นั่ง(tʰîi nâŋ) ⇒ 座席
このマンゴーめっちゃ普通 ⇒ マムアン ニー ロッチャー タマダー マーク
มะม่วงนี้รสชาติธรรมดามาก (ma mûaŋ níi rót cʰâat tʰam ma daa mâak)
何の変哲もない一般的なマンゴーの味、ということで、
これも{タマダー}を使うことになりますね。
ロッチャー タマダー รสชาติธรรมดา ⇒ 普通の味
1週間前に買って捨てようと思ってたマンゴーを間違えて食べた時なら、
「別に普通の味だったよ」というニュアンスで{ロッチャーポカティ}が使えます。
腐ってなくていつもと変わらないマンゴー、という感じですね。
マムアン มะม่วง(ma mûaŋ) ⇒ マンゴー
ロッチャー รสชาติ(rót cʰâat) ⇒ 味
パソコンが普通に作動しない ⇒ コンピューター タムガーン ピット ポカティ
คอมพิวเตอร์ทำงานผิดปกติ (kʰɔɔm pʰiw təə tʰam ŋaan pʰìt pà kà tìʔ)
いつもは正常に動いていたパソコンが、
いつもと違い普通じゃないというニュアンスですよね。
なので「いつも通り」という意味を持つ{ポカティ}を使います。
ピット ポカティ ผิดปกติ ⇒ 異常な、いつもと違う
「普通の、一般的なパソコン」といいたいなら
{コンピューター タマダー}という感じで{タマダー}が使えます。
もしくは
コンピューター マイ タマダー คอมพิวเตอร์ไม่ธรรมดา
⇒ 並外れた働きをするコンピューター
という感じになります。
乾季は普通雨が降らない ⇒ ナイ ルドゥー レーン ポカティ フォン マイ トック
ในฤดูแล้งปกติฝนไม่ตก (nai rɯ́duu lɛ́ɛŋ pà kà tìʔ fŏn mâi tòk)
乾季なので当然雨が降るわけがない、というニュアンスが入ってますね。
ポカティ フォン マイ トック ปกติฝนไม่ตก ⇒ 雨が降らないのが当たり前
フォン トック マイ ポカティฝนตกไม่ปกติ ⇒ 普通の降り方じゃない
乾季は一般的に雨が珍しいため、{ポカティ}を使うわけですね。
ルドゥー レーン ฤดูแล้ง(rɯ́duu lɛ́ɛŋ) ⇒ 乾季
タイ語で「雨季」「暑季」などの季節はどう表現する?参照
今なら普通より安いよ ⇒ トーン ニー トゥーク クワー ポカティ
ตอนนี้ถูกกว่าปกติ(tɔɔn níi tʰùuk kwàa pà kà tìʔ)
正常時が100バーツなのに今だけ50バーツですよ。異常な価格ですよ。
という感じなので{ポカティ}を使います。
例文には{タマダー}を使いませんが、
この店は普通の店よりも安い ⇒ ラーン ニー トゥーク クワー ラーン タマダー
ร้านนี้ถูกกว่าร้านธรรมดา (ráan níi tʰùuk kwàa ráan tʰam ma daa)
こんな感じなら使えますね。
一般的な普通の店よりも安い、って感じです。
普通は殴らないだろ ⇒ ポカティ マイ トーイ ナ
ปกติไม่ต่อยนะ(pà kà tìʔ mâi tɔ̀ɔy náʔ)
この「普通」には、普通の神経なら、というニュアンスがありますね。
ポカティマイトーイ ปกติไม่ต่อย ⇒ 普通(の神経の持ち主なら)殴らないよ
または、犬が何か悪いことをして叩いた後に
ポカティ マイ ティー ⇒ 普通は叩かないです
ปกติไม่ตี (pà kà tìʔ mâi tii)
正常時は叩かないけど今日はさすがに。みたいなニュアンスですかね。
結局タマダーธรรมดาとポカティปกติの違いは?
何となくイメージできましたでしょうか?
このように、両者には若干の違いがあります。
しかし、タイ人の中にもごっちゃで使う人がいたり、
また{タマダー}と{ポカティ}どちらも使うことができたりしたりと、
私自身も若干曖昧な部分があります。
また、{タマダー}と{ポカティ}を合わせて
普通 ⇒ ポカティ タマダー ปกติธรรมดา(pà kà tìʔ tʰam ma daa)
として使うこともあります。
これは普通のことですよ ⇒
ニー ペン ルアン ポカティ นี่เป็นเรื่องปกติ(nîi pen rɯ̂aŋ pà kà tìʔ)
ニー ペン ルアン タマダーนี่เป็นเรื่องธรรมดา(nîi pen rɯ̂aŋ tʰam ma daa)
ニー ペン ルアン ポカティ タマダー
นี่เป็นเรื่องปกติธรรมดา (nîi pen rɯ̂aŋ pà kà tìʔ tʰam ma daa)
例えば、これは全て同じ意味として使うことができます。
感覚的な部分もあると思いますので、
しばらくタイにいれば、いつの間にか身に付くのではないでしょうか。
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