特にタイ語を勉強し始めたばかりのころは、
長い単語を覚えることができないという方もいるでしょう。
こんなに長い単語は覚えられないと、あきらめる方も少なくないはずです。
確かにもともと長い単語もありますが、
タイ語の多くは短い単語の連続で1つの単語を形成しています。
つまり、短い単語をたくさん知っていれば長い単語の意味も何となく分かるのです。
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「外国人」はタイ語で?
1つの例を出しましょう。
タイにいる外国人として、タイ人から外国人と言われる機会もあるのではないでしょうか?
外国人 ⇒ コン ターン チャート คนต่างชาติ(kʰon tàaŋ cʰâat)
なげーよ。と思う方もいらっしゃるでしょう。しかし、これは
①コン คน(kʰon) ⇒ 人
②ターン ต่าง (tàaŋ) ⇒ 異なった
③チャート ชาติ(cʰâat) ⇒ 国、民族
という3つの言葉がくっついているだけなのです。
異なった国の人、すなわち外国人となりますね。
「灰皿」はタイ語で?
喫煙者であれば、早い段階で覚えるタイ語でしょう。
ティー キア ブリー ที่เขี่ยบุหรี่(tʰîi kʰìa bu rìi)
タイ語初心者の多くは、おそらくティーキアブリーが1単語だと覚えているのではないでしょうか?
①ティー ที่(tʰîi) ⇒ 場所
②キア เขี่ย(kʰìa) ⇒ はじく
③ブリー บุหรี่ (bu rìi) ⇒ タバコ
タバコをはじく場所は、灰皿ということになりますよね。
「サングラス」はタイ語で?
それでは、逆の考え方をしてみましょう。
サングラスとタイ語で言いたい場合に、まずはサングラスの役割を考えます。
サングラスは、「日光」を「防ぐ」ための「眼鏡」ですね。
①日光 ⇒ デート แดด (dɛ̀ɛt)
②防ぐ ⇒ ガン กัน (kan)
③眼鏡 ⇒ ウェーン แว่น (wɛ̂n)
次に、この3つの単語を組み合わせます。
ウェーン ガン デート แว่นกันแดด(wɛ̂n kan dɛ̀ɛt) ⇒ サングラス
こうなります。
語順がわからないという方もいらっしゃるかもしれませんね。
「日光を防ぐための眼鏡」となるため、
最初に「眼鏡」を持ってきて、「日光を防ぐ」がそれを修飾します。
英語がわかる方は、何となく文法が似てるのでわかるのではないでしょうか?
英語で言うと、glasses prevent sun’s rays みたいな感じです。
まぁ英語には sunglassという単語があるため、こんな回りくどい言い方はしませんけどね。
「殺虫剤」はタイ語で?
短い単語の連続で長い単語ができているということがわかれば、
例えタイ語でわからない表現があったとしても、何とかなることが多いです。
例えば、部屋にゴキブリが出て困っている方は、殺虫剤がほしいのではないかと思います。
しかし、タイ語で殺虫剤なんて単語がわからないとしましょう。
そんなときには、知っている単語を組み合わせれば何とか殺虫剤のニュアンスに持って行けます。
殺虫剤は、「虫」を「殺す」ための「薬」ですね。漢字がそのままです。
①虫 ⇒ マレーン แมลง(ma lɛɛŋ)
②殺す ⇒ カー ฆ่า(kʰâa)
③薬 ⇒ ヤー ยา(yaa)
組み合わせると
殺虫剤 ⇒ ヤー カー マレーン ยาฆ่าแมลง (yaa kʰâa ma lɛɛŋ)
となります。
組み合わせる単語について
人によって、知っているタイ語の単語はバラバラです。
また、この表現にはこの単語を使ったほうがいいんじゃないか?
といったニュアンスも違うでしょう。
そんなときにも、自分が正しいと思う単語、知っている単語を組み合わせて1つの単語にしてみましょう。
正式に流通しているタイ語でなくても、意味が通じれば問題ありません。
例えば、殺虫剤の中の「殺す」という単語を知らず、
代わりに「防ぐ」という単語を知っている場合は、
虫を防ぐ薬 ⇒ ヤー ガン マレーン ยากันแมลง (yaa kan ma lɛɛŋ)でよいのです。
試しにグーグルで、ยาฆ่าแมลงとยากันแมลงを画像検索してみるとよいでしょう。
似たような画像が出てきます。つまり、両方とも間違いではないのです。
タイ語から日本語にしてみよう
タイ人の友人の父親が病気になり、その病気について聞いたときに、
セン ルアット ウッ タン เส้นเลือดอุดตัน (sên lɯ̂at ùt tan)
と言われるかもしれません。
センルアット เส้นเลือด(sên lɯ̂at) ⇒ 血管
ウット อุด(ùt) ⇒ 詰める、ふさぐ
タン ตัน (tan) ⇒ 中身のつまった、貫通していない
血管がふさがって貫通していない病気 ⇒ 動脈硬化
センルアットウッタンの意味がわからなくても、
バラバラにした意味がわかれば難しそうな病気の名前もわかってしまうのです。
同様に、糖尿病は尿が甘くなる病気ですので、
ローク バオ ワーンโรคเบาหวาน(rôok bao wǎan)
①ローク โรค(rôok) ⇒ 病気
②バオ เบา(bao) ⇒ 尿
③ワーン หวาน (wǎan) ⇒ 甘い
となります。
長いタイ単語を覚えるために
例を挙げているときりがないので、この辺にしておきます。
この覚え方は、次の2つの知識がないと成立しません。
①短いタイ単語の知識
当たり前のことですが、短い言葉を覚えていなければ長い単語を作ることはできません。
薬がタイ語でヤーだと知らなければ殺虫剤とは言えませんし、
デートが日光という意味だと知らなければ、サングラスのことがわからないでしょう。
②母国語の語学力
小学1年生に動脈硬化といっても、わからないという子が多いはずです。
「血管」「ふさぐ」などと言った単語の意味がわかったとしても、
動脈硬化という言葉自体を知らなければ、そこから動脈硬化をイメージすることはできません。
最後の例です。
子供が病気になったと友人に言われたときに
グラーム ヌア リープ クラドゥック サンラン
กล้ามเนื้อลีบกระดูกสันหลัง
(klâam nɯ́a lîip kra dùuk sǎn lǎŋ)
と言う病名だと告げられたらどうでしょうか?
1つ1つの短い単語の意味がわからなければ、まずはアウトです。
グラーム ヌア กล้ามเนื้อ (klâam nɯ́a) ⇒ 筋肉
リープ ลีบ(lîip) ⇒ 委縮する
クラドゥック กระดูก (kra dùuk) ⇒ 骨
サンラン สันหลัง (sǎn lǎŋ) ⇒ 背骨
※クラドゥックサンランでも背骨
これら全ての単語の意味がわかっていれば、
背骨のあたりの筋肉が萎縮する病気なのかーと理解できますね。
しかし、脊髄性筋萎縮症という言葉を知らなければ、
何となく背中の筋肉が萎縮していく病気だとしかわかりません。
逆に、脊髄性筋萎縮症という病気のことを知っているのであれば、
「背骨」「筋肉」「萎縮」でこの病気だということをイメージできるのです。
しかし、病気の専門家以外は、この言葉知らないでしょう。
このように、長いタイ単語を覚えるためには、
短いタイ語をたくさん勉強しつつ、日本語のスキルも高めることが要求されます。
本文も長くなってしまいすみません。。。
頑張って少しずつ覚えていきましょう。
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