タイ語の多くは、動詞の前に否定のマイを付けることによって否定文を作ります。
終わる ⇒ セット เสร็จ (sèt)
終わらない ⇒ マイ セット ไม่เสร็จ (mâi sèt)
見える ⇒ ヘン เห็น (hěn)
見えない ⇒ マイ ヘン ไม่เห็น (mâi hěn)
タイ語の基本中の基本ですので、そんなこと知っているという方も多いでしょう。
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二重動詞の否定形
覚えれば表現力アップ!動詞が続く二重動詞の基本も参照にしてほしいのですが、
タイ語には動詞が2つ以上連続する二重動詞の表現もたくさんあります。
終わる ⇒ セット เสร็จ (sèt)
食べ終わる ⇒ キンセット กินเสร็จ (kin sèt)
食べ終わるの「キンセットกินเสร็จ」は、「食べるのが終わる」というところから、
「キン + セット」の順番で組み合わせられており、「セットキン」とは絶対なりません。
それでは、まだ食べ終わってない場合にはどのように否定文を作ればよいのでしょうか?
否定を表すマイは、動詞の前に付けるのが基本です。
しかし、二重動詞の場合は動詞が2つあります。
①マイ キン セット ไม่กินเสร็จ
②キン マイ セット กินไม่เสร็จ
③マイ キン マイ セット ไม่กินไม่เสร็จ
動詞の前にマイを入れるということでいろいろな組み合わせがありますが、
正解は②のキンマイセットกินไม่เสร็จ(kin mâi sèt)です。
①は「食べる」のキンに否定がかかっています。
セットを省いて「マイキン」のみであれば「食べない」という意味を作ることができます。
③は「食べなければ終わらない」と訳すことができます。
「食べ終わらない」とは全く違った意味が出来上がってしまうわけですね。
「動詞 + マイ + 動詞」の表現
理屈で理解していなくても、動詞が2つ続く場合は動詞と動詞の間にマイを入れる
と思っていただければいいかと思います。
よく使う「動詞 マイ 動詞」系をいくつか紹介します。
「見えない」のモーンマイヘンมองไม่เห็น
タイ語で「見えない」と言いたい時には、ドゥーマイダイと言ってしまいがちです。
見ることができない ⇒ ドゥー マイ ダイ ดูไม่ได้(duu mâi dâi )
文法的にはおかしくないですが、「見えない」と言いたい場合は使えません。
テレビを見たいけど壊れているから見れない、
映画館で映画を見たいけどお金がないから見れない、
などの時にはドゥー マイ ダイ ดูไม่ได้が使えます。
それでは元に戻って
見えない ⇒ モーン マイ ヘン มองไม่เห็น (mɔɔŋ mâi hěn )
タイ語には、「見る」に関する動詞がいくつかあります。
見ると見える~ドゥーดูとヘンเห็นとมองモーンの使い方~を参照ください。
モーンมองは、「見る」というより「見つめる」と訳したほうがいいかもです。
ヘンเห็นは、「見る」よりも「見える」に近いです。
つまりモーンマイヘンは、「見つめているけど見えない⇒見えない」となります。
「読めない」のアーンマイオークอ่านไม่ออก
タイ語で「読む」はアーンอ่าน(àan)
オークออก(ɔ̀ɔk)は「出る」という動詞になります。
ちょっと無理があるかもですが、「読んでも出ない ⇒ 読めない」となるわけです。
アーンマイダイอ่านไม่ได้ (àan mâi dâi)でもいいじゃないかという方もいらっしゃるかもですが、
使い分けとして、
アーンマイダイ ⇒ タイ文字自体がわからないから読めない
アーンマイオーク ⇒ 読む能力はあるが、何らかの理由で読めない
何らかの理由とは、字が汚い、文字が薄すぎるなど様々です。
読めねー、人間の言葉書いてくれる?⇒アーン マイ オーク キアン パーサーコン ダイ マイ
อ่านไม่ออกเขียนภาษาคนได้ไหม(àan mâi ɔ̀ɔk kʰǐan pʰaa sǎa kʰon dai mǎi)
仲のいい人であれば、こんな感じで使っても問題ありません。
パーサー ภาษา(pʰaa sǎa) ⇒ 言葉
コンคน (kʰon) ⇒ 人
「見つからない」のハーマイジューหาไม่เจอ
タイ語が少し分かっている方は、「探す」がハーหาだと知っているのではないかと思います。
しかし、ここでハーマイダイとならないのが厄介です。
マイの後には、「出会う」という意味のジューเจอを持ってきます。
「探しても出会えない ⇒ 見つからない」
ハー マイ ジュー หาไม่เจอ (hǎa mâi cəə)
もうこれで一つの単語として覚えてしまった方がいいですね。
1時間探してもまだ見つからない ⇒ ハー ペン チュアモーン ヤン マイ ジュー
หาเป็นชั่วโมงยังไม่เจอ (hǎa pen cʰûa mooŋ yaŋ mâi cəə)
こんな感じで、動詞マイ動詞の間に他の言葉を入れて使うことも可能です。
「眠れない」のノーンマイラップนอนไม่หลับ
日本語と同様タイ語にも、「寝る」と「眠る」の2つの単語があります。
寝る、横になる ⇒ ノーンนอน(nɔɔn)
眠る ⇒ ラップหลับ(làp)
ノーンを睡眠のことだと思われている方も多いようですが、
ノーンは眠っているわけではなく、横になっている状態のことです。
ゴロゴロする(横になって遊ぶ) ⇒ ノーン レンนอนเล่น(nɔɔn lên)
徹夜する(寝ずに堪える) ⇒ オット ノーン อดนอน (òt nɔɔn)
ちょっと横道にそれますが、レンとオットは動詞と組み合わせて色んな意味を作ります。
動詞 + レンเล่น(lên)
冗談を言う(遊びを話す) ⇒ プーット レン พูดเล่น(pʰûut lên)
散歩をする(歩いて遊ぶ) ⇒ ドゥーン レン เดินเล่น(dəən lên)
オットอด(òt ) + 名詞
断食する(食事を耐える) ⇒ オット アーハーン อดอาหาร (òt aa hǎan)
禁煙する(タバコを耐える) ⇒ オット ブリー อดบุหรี่ (òt bu rìi)
対してラップは、眠りにつく状態を表す動詞です。
ノーンラップで眠ると表現することもあります。
寝ようとしているのに眠れない ⇒ 眠れない
ノーンマイラップ นอนไม่หลับ(nɔɔn mâi làp)
となるわけですね。
※タイ語で「寝る」と「眠る」は違う!ノーンนอนとラップหลับの使い分け参照
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